教員としてパラレルキャリアを目指す際に大事にしたこと

会社員の方々の間で本業の傍らでコーチングやコンサルなど、なんらかの教育業を追求する方
が増えているなか、教育業が本業である教員の方々も、教育現場以外の一般社会でも活躍する
ことで、新しい世界が広がるかもしれません。ただ、周りを見てもロールモデルは少ないので、
副業でどういう方向性を目指すかは悩ましいところかと思います。

自分の場合、教員を続けつつ翻訳で新たなキャリアを積もうと決めたわけですが、そもそも、
教育者というアイデンティティを保ちながらパラレルキャリアを目指す場合、何を大事にす
べきでしょうか。自分としては以下の4つがそれでした。

専門性とつながりがあるか
基本的なことですが、これは結構大きいかと思います。自分の場合、専門が編集や英語のリ
テラシー教育という硬めでマイナーな分野なわけですが、やはりその強みが生かせる点が大
事でした。実は翻訳の道を志す前、比較的種類の多い日本語中心の仕事(メディア関係など)
や既存のビジネスのサポート業務をお引き受けしたことはありますが、勉強になる面ももち
ろんありつつ、やはり自分の専門性を十分に使いきれない物足りなさもありました。

新しい分野の知識をインプットし、教育とは別のかたちで成長できる機会があるか
上記と矛盾する部分もありますが、自分は、パラレルキャリアとしては教育そのものにこだ
わっていませんでした。教員の副業で一番一般的なのは同じ教育業なのですが、教育を真面
目に考えると、あまりたくさんの現場を引き受けることは実は至難なのです。

たとえば、同じ専門を教えるのでも、それぞれの現場のニーズが著しく違う場合、まったく
異なる授業を行うことになるため、そしてそれぞれの授業の準備にかけられる時間が減るた
め、ティーチングの質を保つのに苦労します。

なので、専門性は生かしつつも、新たな知識のインプットや、別のスキルをビルドできる仕
事を検討しました。自分にとって翻訳、とくに特許翻訳という分野は、そういう意味ではテ
ィーチングで培った専門性と関連しつつも異なる学びがあり、両方に通じるスキルが蓄積で
きそうだったので、挑戦しているところです。

自分に合っているか
これもかなり重要かと思います。教育という倫理的・公益的な職業についている場合、今流
行の稼ぐことを第一義にして一般のアクセスを集めることだけを考えた(大衆的な)コンテ
ンツや、「自分」そのものを売りにしたメディアでの露出はなんとなく気が引けるもので、
自分の本来の方向性と矛盾がある気がしました。そして翻訳、とくに学問分野が絡んだ分野
では、そうした矛盾が少ないのではないかと考えました。

同僚の同意が得られるか
これは各自の事情にもよるかとは思いますが、やはり同僚の同意が得られるかもポイントで
した。自分は過去に名前を出しての出版翻訳やメディアでの執筆などを行っており、また同
僚にもすでに翻訳家や起業家として活躍されてい方々がいることもあり、今後翻訳に力を入
れることはオープンにしています。

もっとも、それが可能なのは、10年以上職場で教育に貢献してきて、現場で常に必要なチー
ムワークに支障がないようにしているからかもしれません。同僚に日本人がほとんどおらず、
日本文化特有の同調圧力が少ないことも大きいかもです。

もっとも、今後自分の状況がどうなるかはわかりません。しかし、今あるもの、今可能なこ
のひとつひとつに感謝しながら、キャリアの柱を新たに打ち立て、職業人として総合的によ
い方向に変化していきたいです。

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